Jim Hall : Live Vol.2-4 (1975年) [CD]{ライブ音源}

Jim Hall Live Vol.2-4 

オススメ度

★★★★★

所感

(2012/10/27:加筆修正中)
ジム・ホールのトリオ・ライブ盤「Live!」(1975年)の未発表音源集。最高すぎる。至上のジャズギター。ハードディスクが擦り切れるまで聴き続けたい。
なお、A&M Recordsの「Live!」は感嘆符の「!」がついているが、本作では感嘆符がなくなっており「Live Vol.2-4」と表示されている。

Live Vol.2-4の入手方法
USAのレーベルサイトArtistshare http://www.artistshare.com/v4/Projects/Experience/7/431/1で注文する。2012/10/27現在、日本国内の小売店・流通では取り扱いがないので直接注文するしかない。・・・が、なんてこった、現時点は在庫切れみたい。再販売を期待するしかない・・・(追記)2012/11/27から再販しています。
(さらに追記)2013/12/25現在、
ArtistshareでCDは完売しているようです。iTunes Storeでダウンロード販売しています。



ディスクについて
このアルバムの構成はCDが3枚(Live vol.2-4)、DVDが1枚となっている。DVDは24bit/48kの高音質オーディオデータで、Live vol.2-4の音源をすべて収録。高音質版はパソコンなどで再生する。しかしながら24bit/48対応の再生ソフトやオーディオインターフェースがないと本来の音質で楽しむことができない。
また、製品には収録されていないボーナストラック7曲も存在する。発売元のArtistShareのサイトにログインしてmp3でのみ入手できる。

ブックレットについて

Jim Hall Live Vol.2-4
ブックレットはこんなん
Jim Hall Live Vol.2-4
ジム・ホールとエラ・
フィツジェラルドが
共にいる写真。
これは初めて見た
  • 分厚いブックレットが付属しており、123ページある。さながら昔の重厚な書籍のようなカバーと装丁だ。ブックレットの主な内容は次の通り
  • 本アルバムの演奏者であるジム・ホール(ギター)、ドン・トンプソン(ベース)、テリー・クラーク(ドラム)のコメント
  • ジム・ホールを紹介した過去の新聞・雑誌の記事の切抜きの写真
  • 交流のある音楽家へのインタビュー。インタビューしたのはPat Metheny、Chris Potter、Scott Colley、Nels Cline
  • テクニカル・ノート。マスタリングの使用機材などをドン・トンプソンが解説。署名の日付は2012/6/28となっており、最初の発売日の5/1を余裕で越してる(笑

発売までのまとめ

  • 2011/11/19:(USでは201/11/18?)米国のレーベルArtistShareがJim Hallの新作「Live Project」を発表する。ドン・トンプソン(ジム・ホールとよく演奏したベース/ピアノ奏者)がA&M Recordsから発売されたLive!(1975年)の未発表音源を見つけたため、これを収録したCD3枚組みのボックスセットを発売することになった。同時に、2011年時のカルテット編成でのライブ音源(バードランドでのライブ音源)を発売する内容であった。この時点での発売予定は2012/5/1。(参照:内部リンク
  • 2012/5/1:ArtistShareが「Live Vol.2-4」の発売延期を案内。理由は豪華ブックレットを制作することになったため。このころLive Vol.2-4のカバーアートも公開された。明示されていなかったがバードランドでのライブ音源の発売も延期になった。再設定された発売日は2012/7/15。(参照:内部リンク
  • 2012/7/15:ArtistShareが「Live Vol.2-4」の発売再延期を案内。4枚目のディスクを追加することが案内された。4枚目には高音質版(24bit/48k)の音源を収録するとの案内だった。同日、注文者には延期の代替処置(お詫び)として、Live Vol.2-4の全曲をmp3音源でダウンロードできるようにした。(参照:内部リンク
  • 2012/8/18:ArtistShareが「Live Vol.2-4」の注文者に、ボーナストラックのmp3をダウンロードできるように案内した。ボーナストラックは製品版(CD)に収録されていなく、7曲ある。これらはCDに収録されている曲の別テイクと、完全に未収録の追加曲であった。(参照:内部リンク
  • 2012/10/16:ArtistShareが「Live Vol.2-4」と「Live At Birdland」を出荷開始した。わたくしの分は2012/10/17にUSPSのFirst-Class Internationalで発送され、2012/10/25に配達完了。

詳細

メディア
CD,DVD(DVDは24bit/48kのAudio Dataを収録)
アルバムタイトル(原題)
Live Vol.2-4
アルバム名義
Jim Hall
収録年
Volume Two;1975/6/12,Volume Three;1975/6/11,Volume Four;1975/6/13,  at Bourbon Street,Tronto,Ontario,Canada
発売元,レーベル
Artistshare http://www.artistshare.com/v4/Projects/Experience/7/431/1
所有盤
CD,DVD,ボーナストラックはmp3
CD発売日
2012/10/16
規格品番
AS0116
UPC
None
定価
$75-

曲目:Live Volume 2 (1枚目のCD)

  1. How Deep Is The Ocean
    作曲
    Irving Berlin
  2. Emily
    作曲
    Johnny Mandel, Johnny Mercer
  3. Valse Hot
    作曲
    Sonny Rollins
  4. Love Letters
    作曲
    Edward Heyman,Victor Young
  5. Chelsea Bridge
    作曲
    Billy Strayhorn
  6. Something Tells Me
    作曲
    Jane Hall
  7. Fly Me To The Moon
    作曲
    Bart Howard

曲目:Live Volume 3 (2枚目のCD)

  1. Secret Love
    作曲
    Sammy Fain,Paul Francis Webster
  2. Baubles, Bangles and Beads
    作曲
    George Forrest,Robert C. Wright
  3. In A Sentimental Mood
    作曲
    Duke Ellington
  4. Star Eyes
    作曲
    Gene de Paul,Don Raye
  5. Where Would I Be?
    作曲
    Jane Herbert
  6. Body And Soul
    作曲
    Edward Heyman,Robert Sour,Frank EytonJohnny Green
  7. Careful
    作曲
    Jim Hall

曲目:Live Volume 4 (3枚目のCD)

  1. Someday My Prince Will Come
    作曲
    Frank Churchill,Larry Morey
  2. Come Rain Or Come Shine
    作曲
    Harold Arlen ,Johnny Mercer
  3. Prelude To A Kiss
    作曲
    Duke Ellington,Irving Gordon,Irving Mills
  4. Everything I Love
    作曲
    Cole Porter
  5. Blue Dove
    作曲
    Mexican folk song
  6. Embraceable You
    作曲
    George Gershwin,Ira Gershwin
  7. The Theme
    作曲
    Kenny Dorham

曲目:Live Vol.2-4 Audio Files (DVD,High Resolution 24bit/48k Audio Files)

4枚目のディスクとしてDVDが入っている。DVDはCDで提供されたLive Volume 2-4をパソコン用の高解像オーディオファイル(wave形式、ビットレート/サンプリングレートは24bit/48k)で収録。CD3枚の合計曲数は21曲だが、オーディオファイルは20ファイルとなっている(Embraceable YouとThe Themeの2曲が1ファイルになっているため)。曲名は重複するので省略。

<ボーナストラック> Live Vol.2-4 Bonus Tracks (mp3ダウンロード提供のみ)

下記は2012/8/18にArtistShareにて注文者に無償提供されたLive vol.2-4のボーナストラック。下記はそのリスト。Live vol 2-4未収録の曲(+印)と、別テイクの音源(*印)がある。
  1. Emily (*)
    作曲
    Johnny Mandel, Johnny Mercer
  2. Prelude to a Kiss (*)
    作曲
    Duke Ellington,Irving Gordon,Irving Mills
  3. Spring Is Here (+)
    作曲
    Richard Rodgers,Lorenz Hart
  4. Fly Me To The Moon (*)
    作曲
    Bart Howard
  5. Two's Blues (+)
    作曲
    Jim Hall
  6. Moonlight In Vermont (+)
    作曲
    Karl Suessdorf,John M. Blackburn
  7. Careful (*)
    作曲
    Jim Hall

演奏者

Jim Hall
Guitar
Don Tompson
Bass
Terry Clarke
Drums
スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

tag : レーベル.ArtistShare 演奏編成.トリオ 録音.ライブ録音 共演者.TerryClarke 共演者.DonThompson

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Good Friday Blues (1960年)[CD]

The Modest Jazz Trio

オススメ度

★★★☆☆

所感

(2011/5/14改訂)古式ゆかしいジャズブルース。演奏はオーソドックスだが今のジム・ホールのスタイルから考えるとめずらしい音源かと。内容は素朴だが、貴重な音源てことでちょいと甘めの星3つ。

Good Friday BluesはThe modest JAZZ TRIO[ジム・ホール(g)、レッド・ミッチェル(p)、レッド・ケリー(b)]名義のアルバム。ドラムなしのシンプルなトリオ演奏だが、なかなか味わい深く楽しめる。ベーシスト専業かと思ってたレッド・ミッチェルがピアノを弾いてる。まじか。ピアノ弾けるなんて知らんかった。といかライナーツによると「若い頃はピアノを弾いていて、後にベースに転向した」とのこと。オリジナル曲のバラード#8.When I Have Youがきれいでよいかんじ。ライナーノーツに興味深い記述があったので引用。

ライナーノーツから引用
ギタリストのジム・ホールは、ロサンゼルスに出て間もなかった24歳のときに、”サーディス”というクラブのジャムセッションで演奏していたところを、3歳年上のレッド・ミッチェルに呼び止められた。すでにミッチェルは、このクラブによく出演していたのである。ホールはこのあと、チコ・ホミルトン・クインテットのメンバーになったのだが、ミッチェルとの出会いもあって、ふたりは折にふれて一緒にプレイをおこなうようになる。(中略)午前2時に始められたセッションは、結局6時間にも及んで、このアルバムが誕生することになった。<グッド・フライデイ・ブルース>と名づけられている曲はレッド・ミッチェル作とクレジットされていて、タイトルはレコーディングが行われたのが金曜の深夜だったところから付けられている。

(備考)オリジナルジャケットを採用したCDが19年振りに再発売されたため、本文を一部変更。ジャケットとトラック表示を国内再発のオリジナルLP準拠のものに 差し替え。本作品は以前、国内でCD化されていました(EMI,TOCJ-5424、4988006675605、発売日1992/10/28)。 2011年にCD再発売(詳細は下記)。

詳細(国内再発版)

アルバムタイトル(原題)
Good Friday Blues
アルバムタイトル(邦題)
グッド・フライデイ・ブルース
アーティスト表記(英語)
The Modest Jazz Trio
アーティスト表記(日本語表記)
ザ・モデスト・ジャズ・トリオ
収録年
1960/4/1-2(#4-9)
オリジナルレーベル,カタログナンバー
Pasific Jazz Records (PJ-10)
CD販売元
株式会社EMIミュージック・ジャパン
CD発売日
2011/4/20
規格品番
TOCJ-50139
JAN
4988006885790
定価
999円

曲目(国内版のオリジナルLP準拠のCDにて)

  1. Good Friday Blues
  2. 作曲
    Red Mitchell
  3. Willow Weepp For Me
  4. 作曲
    A. Ronell
  5. I Remember You
  6. 作曲
    Mercer; Schertzinger
  7. Bill Not Phil
  8. 作曲
    Jim Hall
  9. When I Have You
  10. 作曲
    Red Mitchell
  11. I Was Doin' Alright
  12. 作曲
    George & Ira Gershwin

演奏者 アルバム Good Friday Blues (1960年)#4-9

Jim Hall
guitar
Red Mitchell
piano
Red Kelly
bass

詳細(海外Gambit Records版)

従来所有していた海外Gambit Records販売のCD「Blues On The Rocks」前半#1-3はチコ・ハミルトンのアルバム「The Chico Hamilton Trio」(1956年,Pacific Jazz)からジム・ホールが演奏しているトラックを転用したもので、後半#4~9トラックがThe Modest Jazz Trioの「Good Friday Blues」の音源となっている。ジャケットもオリジナルのものではない。

アルバムタイトル(原題)
Blues On The Rocks
アルバム名義
Jim Hall Trio
収録年
1956/2/8(#1-3),1960/4/1-2(#4-9)
発売元,レーベル
Gambit Records.D.L.
所有盤
輸入CD
CD販売元
Gambit Records.D.L.
CD発売日
2005
規格品番
69207
EAN
8436028692071
定価
N/A

曲目(海外Gambit Records版) 別アルバム「The Chico Hamilton Trio」(1956年,Pacific Jazz)から収録した3曲をトラック#1~3に収録。内容は次の通り。

  1. Blues On The Rocks
  2. 作曲
    George Duvivier
  3. Porch Light
  4. 作曲
    George Duvivier
  5. Autumn Landscappe
  6. 作曲
    George Duvivier

演奏者(海外Gambit Records版) アルバム The Chico Hamilton Trio (1955年) #1-3より

Jim Hall
guitar
George Duvivier
bass
Chico Hamilton
drums

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

tag : レーベル.Pacific 演奏編成.トリオ 共演者.RedMitchell

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Jim Hall : Something Special (1993年)[CD]

Jim Hall Something Special USA

オススメ度

★★★★☆

所感


Jim Hall : Something Special
写真は国内版CDジャケット

(2011年年1月30日、過去記事に追記。オリジナルのUSA版CDを入手したため再編集)
しっとり系。かなりよ い。ドラム抜きのトリオ編成(Gr、Key、Ba)なので多少おとなしい印象を受けるが、このアルバムの前作となる「Subsequently」(1992年)でもピアノを担当したラリー・ゴールディングスによって、きらびやかで広がりのある演奏を聴かせてくれる。#5はギターソロ。#9はラリー・ゴールディングスの作曲で、ラリー自身のアルバムWhatever It Takes(1995年)にも収録しており、そちらではオルガンで演奏している。なお、このアルバムと同年に制作および発売されたジム・ホール出演のギター教則ビデオStarLicks Sessions With Jim Hall(1993年,VHS)または異なる題名だがまったく同じ内容のDVD版Instractional DVD For Guitar Jim Hall(2006年,DVD)に#1と#7をカルテット編成で演奏した映像が収録されている。

記事先頭にあるジャケット(カバーアート)はオリジナルであるUSAの「MusicMaster」レーベルのCDジャケット。アメリカのコミック作家ゲイリー・ラーソン(Gary Larson)の漫画調のイラストが使用されている。絵をよくみると飲食店の中のメニュー看板のハンバーガーにギターが挟まっているユーモアのある絵で、メニューの文字はこのアルバムの曲目と収録時間となっており、このアルバム用に書き下ろした絵だと思われる。ジム・ホールはアルバムDedications & Inspirations(1994年,Telarc)でゲイリー・ラーソンのためにWhistle Stopという曲を書いて演奏している。(Dedications & Inspirationsのジャケット裏の曲リストにはWhistle Stop dedicated to Gary Larsonと副題が表示されている。

一方、国内版CDのジャケットはオリジナルのジャケットの下に小さい画像で表示しているが、ジム・ホール本人の写真となっている。この写真は(内部リンク)Jim Hall And Friends,Vol.2 Live At Town Hallのジャケット写真を加工しただけのものだ。

詳細:海外版オリジナルCD

アルバムタイトル(原題)
Something Special
アルバム名義
Jim Hall
収録年
1993/3/6 and 8
発売元,レーベル
Music Masters,Inc.
販売元(Distributor)
BMG Music
CD発売日
1993/10/12
規格品番
01612-65105-2
UPC
016126510521

詳細:国内版CD

アルバムタイトル(邦題)
サムシング・スペシャル
アーティスト表記(日本語表記)
ジム・ホール
収録年
1993/3/6 and 8
発売元
ヴィーナスレコード株式会社 (VenusRecords)
販売元
株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ
CD発売日
1997/10/22
規格品番
TKCZ-36029
JAN
4988008381535
定価
2,500円

曲目

  1. Something Special
    作曲
    Jim Hall
  2. Somewhere
    作曲
    Leonard Bernstein,Stephen Sondheim
  3. Down from Antigua
    作曲
    Jim Hall
  4. Steps
    作曲
    Jim Hall
  5. Deep in a Dream
    作曲
    Eddie DeLange,James Van Heusen
  6. When Little Girls Play
    作曲
    Steve LaSpina
  7. Three
    作曲
    Jim Hall
  8. Lucky Thing
    作曲
    Jim Hall
  9. Up for Air
    作曲
    Larry Goldings
  10. Consequently
    作曲
    Jim Hall

演奏者

Jim Hall
guitar
Larry Goldings
piano
Steve LaSpina
bass

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

tag : レーベル.MusicMasters 演奏編成.トリオ 演奏編成.ギターソロ 共演者.SteveLaSpina 共演者.LarryGoldings

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It's Nice to Be with You : Jim Hall in Berlin (1969年)[CD]

It's Nice to Be with You : Jim Hall in Berlin

オススメ度

★★★★★

所感

現在のジム・ホールのスタート地点となるアルバム。基本の演奏編成はジム・ホール(ギター)、ジミー・ウーディ(ベース)、ダニエル・ユメール(ドラム)のトリオ。 今から40年前のものとは思えないクオリティの録音(音質)に感動。70年代以降のジム・ホールの傑出したアルバムと比べるとやや地味な印象がなくもないが、よくよく聴きこむほどその奥深さに魅せられる。なんつーかギターの音がよいですわ!てことで甘めにして星5つ。(これ書いてるのが2009年なので、もう40年も前なんだね・・・ジムおじさんが現役ってすげー)

ファースト・ソロアルバムである「JazzGuitar」(1957年)(内部リンク)でのジム・ホールの演奏スタイルはチャーリー・クリスチャンの影響が強く感じられた。しかし、12年ぶりとなるこのセカンド・ソロアルバムは独自のスタイルを確立しており、ここからが本当のジム・ホールのスタート地点といえるアルバムだ。

独自のスタイルとは独特な温かみのある中低域の強い太いギターの音色と、不協和音寸前の 微妙な和声を奏でるコード・ヴォイシングだ。1960年代はジャズ、ビバップがコードにのせて高速でスケールを弾くソロを繰り返すという、音楽的な発展性に行き詰って衰退していったという。その1960年代をジム・ホールは幸か不幸かサイドマンとして過ごしてきた中で、ひっそりと目立たないながらも着実に独自のギタープレイ、音楽性を確立し、タイミングよく1969年にこのアルバムを発表し、ジャズの新しいスタイルを提示したことが多くの人々に評価された要因ではないかと思う。私は当時をリアルタイムで知らないのでえらそうなことはいえませんがー。とにかくジムおじさまは独特。

 「イン・ベルリン」という副題について。これは場所としてベルリンで録音したから、という意味であるが、レコードを制作したMPSレコードがドイツのレーベルだったから、ということでもある。

MPSレコードは1968年に立ち上がった、西ドイツの新興レーベル(当時)。MPSの前身は西ドイツの大手家電メーカーSABAの音楽部門SABAレコードであった。親会社のSABAがGE(ゼネラル・エレクトロニクス)に吸収された際、SABAレコードも買い取られMPSレコードとなった。MPSでは企画顧問(プロデューサー)に著名なジャズ評論家ヨアヒム・E・ベーレント(Joachim E. Berendt)を起用していた。ベーレントは世界的な視野で先鋭のジャズプレイヤーの数々をドイツに呼んでレコード制作を行っていた。その中で、アメリカで実力を持ちながらソロ作品<「JazzGuitar」(1957年)以来>を長らく制作していなかったジム・ホールに着目して当アルバムが制作されることとなった。アルバム「イン・ベルリン」の内容は当時高い評価を受け、ジム・ホールの評判が高まり、その後さまざまなレーベルでソロ作品を発表していくことができる契機となったといわれている。

MPSからリリースしたわけだが、その前段階として、MPSレコード(当時はSABAレコード)が絡んでいる1967年のベルリン・ギター・ワーク・ショップにジム・ホールがトリオで出演し、成功を収めたことも一因とされている。この模様はレコードまたはCDアルバムになっている。

演奏について。演奏のよさもさることながら、ジャズ作品で当時としては珍しい(おそらく前例のない)ギターのオーバーダビングが行われたことも注目されたという。#2.My Funny Valentineは基本はトリオなのだが、ギターは2本のトラックがある。単純にバッキングとソロという分け方でなく、どちらもバッキングとソロを複雑 に入れ替わり立ち代り演奏し、矛盾無く自然な演奏をするという高度な演奏がされている。#3.Young Oneと#6.In a Sentimental Moodはギターのみの曲だが、これもギター2本をオーバーダビング録音。これらもギターをソロとコードという分け方をしていなく、複雑に入れ替わっている。

  • ジャケットでジム・ホールがホット・ドッグを食べさせている相手の女性はジム・ホールの養女デブラ(Debra Hall)。#3.Young One (For Debra)はジム・ホールが娘のために書いた曲。
  • #5.It's Nice to Be With Youの作曲者Jane Herbertはジム・ホールの妻で、後に「Jane Hall」としていくつかのアルバムでクレジットされることになる。
  • #6.In a Sentimental Moodのダイナミックで美しいエンディングのパターンは、他のアルバムやライブでこの曲を弾くたびに固定して弾いているパターんンだ。完成された様式美の世界でございます。
  • #8.Romaineはジム・ホール作曲によるサンバのような曲調だが、プロデューサーのベーレントがアルバムに寄せたライナーノーツによるとRomaineをボサノヴァと説明し、「ジム・ホールはブラジルからアメリカにボサノヴァを最初にもちこんだアメリカのミュージシャンだ。(Charlie Byrd、StanGetz、Herbie Mannよりも先に)」と評価している。ジム・ホールは1960年5月にエラ・フィッツジェラルドのツアーでブラジルのリオに渡り、ボサノヴァを自分のスタイルに取り入れたという。
  • ドイツつながりで、ジム・ホールはドラムのダニエル・ユメールとNDR(北ドイツ放送協会)のテレビ番組「Jazz Workshop」(1973年)でアッティラ・ゾラー、レッド・ミッチェルらと再び共演している。
    ジム・ホールとアッティラ・ゾラーの動画[Youtube]
参考文献
「イン・ベルリン」ライナーノーツ
内部リンク:隔週刊クール・ジャズ・コレクションNo.22 ジム・ホール

詳細

アルバムタイトル(原題)
It's Nice to Be with You : Jim Hall in Berlin
アルバム名義
Jim Hall
アルバムタイトル(邦題)
ジム・ホール・イン・ベルリン
アーティスト表記(日本語表記)
ジム・ホール
収録年
1969/6/27,28
発売元,レーベル
MPS Records
所有盤
国内CD
発売元
ユニバーサルミュージック株式会社
販売元
ビクターエンタテインメント株式会社
CD発売日
2000/10/25
規格品番
UCCM-9011
JAN
4988005255372
定価
1,835円(税込)

曲目

  1. Up, Up and Away
     作曲: Jim Webb
  2. My Funny Valentine
     作曲:Richard Rodgers,Lorernz Hart
  3. Young One (For Debra)
     作曲:Jim Hall
  4. Blue Joe
     作曲: Jim Hall
  5. It's Nice to Be With You
     作曲:Jane Herbert
  6. In a Sentimental Mood
     作曲: Duke Ellington
  7. Body and Soul
     作曲:Edward Heyman,Robert Sour,Frank EytonJohnny Green
  8. Romaine
     作曲:Jim Hall

演奏者

Jim Hall
guitar
Jimmy Woode
bass
Daniel Humair
drums

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

tag : レーベル.MPS 演奏編成.トリオ 共演者.DanielHumair

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Starlicks Master Sessions With Jim Hall (1993年)[VHS]

Starlicks Sessions With Jim Hall

オススメ度

★★★★☆

所感

ジム・ホール本人によるギターの教則ビデオ。室内セッションでのライブをおこなっており、貴重なライブ映像としても楽しめる。その上、私ががもっとも好きな頃のメンバー編成の出演で、かつ、好きな曲ばかりが演奏されており、これはディープなファンにとっては必須アイテムだ。最近はDVD版が販売中(サイト内リンク)

映像中、ジム・ホール自身によるそれぞれの曲の由来も解説されているが、字幕は無い。その代わりヤマハミュージックトレーディングが輸入販売していた国内発売版のVHSビデオには対訳を掲載した冊子が同梱されていた。ジム・ホール自身による曲の由来についての解説を下記にいくつか引用する。

(サブセクエントリー/Subsequentlyは)私の最初のバンドのバンドリーダーであったチコ・ハミルトン(Chico Hamilton)に捧げた、ユーモラスで愛情のこもった作品だ。チコがプレイしていたリズムやソロがもとになっている。私たちがこのリズムをやると彼はそれを面白がって色々と冗談をやったものだ。それに「サブセクエントリー(そして・・・)」という言葉がチコの口癖だった。だから私はこの曲を「サブセクエントリー」と呼んでいる。
(トゥーズ・ブルース/Two's Bluesは)私がこの曲を書き始めたのは、ビル・エヴァンス(Bill Evans)とのレコーディングの約束があったからだ。だが間に合うように書き上げられなかった。その後、チェット・ベイカーやロン・カーターとやる時には間に合ったが・・・そしてスティーブ・ガッド。確かこの4人だったと思うけど。後はたいていスティーブ(スティーブ・ラスピナ)と私でプレイしている。マイク・モーラやレッド・ミッチェル(Red Mitchell)ともやった。

チェット・ベイカーのことはアルバム「Concierto(アランフェス協奏曲)」(内部リンク)のこと

(オール・アクロス・ザ・シティー/All Across The City)は、私が1965年頃に書いた曲だ。実は、ジミー・レイニー(Jimmy Raney)、ズート・シムズ(Zoot Sims)らとのレコーディングのために書いた。オシー・ジョンソン(Osie Johnson)もいたし、スティーブ・スワロー(Steve Swallow)がベースだった。それはニューヨーク・シティーをモチーフにした「トーンポエム(音の詩)」だった。ニューヨークは当時はまだイノセントな街だったと思う。今書いたとしたら、車のクラクションや叫び声を入れただろうね(笑)。

上記はアルバム「Two Jims And Zoot」(内部リンク)のこと。1965年ごろと語っているが、正確なレコーディング年月日は1964年5月11日および12日だ。

(サムシング・テルズ・ミー/Something Tells Meは)・・・(曲のコード解説)E♭に始まり、Dで終わる。私の妻(ジェーン・ホール/Jane Hall)が何故かこんな曲を書く。彼女は恐れ知らない。後でギターを弾かなきゃならないことなんか、お構いなしなんだから。

詳細:VHSビデオ版

VHS ビデオタイトル(原題)
Starlicks Master Sessions With Jim Hall
名義
Jim Hall
収録年
1993
発売元,レーベル
N/A
所有メディア
海外VHSビデオ
販売元
HAL LEONARD PUBLISHING corporatio
発売日
1993
規格品番
HL00699390
UPC
073999993905
輸入販売元
ヤマハミュージックトレーディング株式会社
JAN
4513744007489
定価
税抜5,800円

曲目

  1. Subsequently
     作曲: Jim Hall
     演奏:全員。カルテット編成。
  2. Two's Blues
     作曲:Jim Hall
     演奏:Jim HallとSteve Laspinaのデュオ
  3. Three
     作曲:Jim Hall
     演奏:Jim HallとSteve Laspina、Larry Goldingsのトリオ
  4. All Across The City
     作曲:Jim Hall
     演奏:Jim HallとLarry Goldingsのデュオ
  5. Something Tells Me
     出演:Jane Hall
     演奏:Jim Hallのギターソロ
  6. Something Special
     出演:Jane Hall
     演奏:全員。カルテット編成。この曲に解説はなく、フェイドアウトする。

演奏者

Jim Hall
guitar
Larry Goldings
piano
Steve LaSpina
bass
Bill Stewart
drums

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

tag : 演奏編成.カルテット 演奏編成.デュオ・ピアノとギター 演奏編成.トリオ 共演者.LarryGoldings 共演者.BillStewart 共演者.SteveLaSpina

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プロフィール

kawagu

Author:kawagu
江ノ島が好き。

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