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It's Nice to Be with You : Jim Hall in Berlin (1969年)[CD]

It's Nice to Be with You : Jim Hall in Berlin

オススメ度

★★★★★

所感

現在のジム・ホールのスタート地点となるアルバム。基本の演奏編成はジム・ホール(ギター)、ジミー・ウーディ(ベース)、ダニエル・ユメール(ドラム)のトリオ。 今から40年前のものとは思えないクオリティの録音(音質)に感動。70年代以降のジム・ホールの傑出したアルバムと比べるとやや地味な印象がなくもないが、よくよく聴きこむほどその奥深さに魅せられる。なんつーかギターの音がよいですわ!てことで甘めにして星5つ。(これ書いてるのが2009年なので、もう40年も前なんだね・・・ジムおじさんが現役ってすげー)

ファースト・ソロアルバムである「JazzGuitar」(1957年)(内部リンク)でのジム・ホールの演奏スタイルはチャーリー・クリスチャンの影響が強く感じられた。しかし、12年ぶりとなるこのセカンド・ソロアルバムは独自のスタイルを確立しており、ここからが本当のジム・ホールのスタート地点といえるアルバムだ。

独自のスタイルとは独特な温かみのある中低域の強い太いギターの音色と、不協和音寸前の 微妙な和声を奏でるコード・ヴォイシングだ。1960年代はジャズ、ビバップがコードにのせて高速でスケールを弾くソロを繰り返すという、音楽的な発展性に行き詰って衰退していったという。その1960年代をジム・ホールは幸か不幸かサイドマンとして過ごしてきた中で、ひっそりと目立たないながらも着実に独自のギタープレイ、音楽性を確立し、タイミングよく1969年にこのアルバムを発表し、ジャズの新しいスタイルを提示したことが多くの人々に評価された要因ではないかと思う。私は当時をリアルタイムで知らないのでえらそうなことはいえませんがー。とにかくジムおじさまは独特。

 「イン・ベルリン」という副題について。これは場所としてベルリンで録音したから、という意味であるが、レコードを制作したMPSレコードがドイツのレーベルだったから、ということでもある。

MPSレコードは1968年に立ち上がった、西ドイツの新興レーベル(当時)。MPSの前身は西ドイツの大手家電メーカーSABAの音楽部門SABAレコードであった。親会社のSABAがGE(ゼネラル・エレクトロニクス)に吸収された際、SABAレコードも買い取られMPSレコードとなった。MPSでは企画顧問(プロデューサー)に著名なジャズ評論家ヨアヒム・E・ベーレント(Joachim E. Berendt)を起用していた。ベーレントは世界的な視野で先鋭のジャズプレイヤーの数々をドイツに呼んでレコード制作を行っていた。その中で、アメリカで実力を持ちながらソロ作品<「JazzGuitar」(1957年)以来>を長らく制作していなかったジム・ホールに着目して当アルバムが制作されることとなった。アルバム「イン・ベルリン」の内容は当時高い評価を受け、ジム・ホールの評判が高まり、その後さまざまなレーベルでソロ作品を発表していくことができる契機となったといわれている。

MPSからリリースしたわけだが、その前段階として、MPSレコード(当時はSABAレコード)が絡んでいる1967年のベルリン・ギター・ワーク・ショップにジム・ホールがトリオで出演し、成功を収めたことも一因とされている。この模様はレコードまたはCDアルバムになっている。

演奏について。演奏のよさもさることながら、ジャズ作品で当時としては珍しい(おそらく前例のない)ギターのオーバーダビングが行われたことも注目されたという。#2.My Funny Valentineは基本はトリオなのだが、ギターは2本のトラックがある。単純にバッキングとソロという分け方でなく、どちらもバッキングとソロを複雑 に入れ替わり立ち代り演奏し、矛盾無く自然な演奏をするという高度な演奏がされている。#3.Young Oneと#6.In a Sentimental Moodはギターのみの曲だが、これもギター2本をオーバーダビング録音。これらもギターをソロとコードという分け方をしていなく、複雑に入れ替わっている。

  • ジャケットでジム・ホールがホット・ドッグを食べさせている相手の女性はジム・ホールの養女デブラ(Debra Hall)。#3.Young One (For Debra)はジム・ホールが娘のために書いた曲。
  • #5.It's Nice to Be With Youの作曲者Jane Herbertはジム・ホールの妻で、後に「Jane Hall」としていくつかのアルバムでクレジットされることになる。
  • #6.In a Sentimental Moodのダイナミックで美しいエンディングのパターンは、他のアルバムやライブでこの曲を弾くたびに固定して弾いているパターんンだ。完成された様式美の世界でございます。
  • #8.Romaineはジム・ホール作曲によるサンバのような曲調だが、プロデューサーのベーレントがアルバムに寄せたライナーノーツによるとRomaineをボサノヴァと説明し、「ジム・ホールはブラジルからアメリカにボサノヴァを最初にもちこんだアメリカのミュージシャンだ。(Charlie Byrd、StanGetz、Herbie Mannよりも先に)」と評価している。ジム・ホールは1960年5月にエラ・フィッツジェラルドのツアーでブラジルのリオに渡り、ボサノヴァを自分のスタイルに取り入れたという。
  • ドイツつながりで、ジム・ホールはドラムのダニエル・ユメールとNDR(北ドイツ放送協会)のテレビ番組「Jazz Workshop」(1973年)でアッティラ・ゾラー、レッド・ミッチェルらと再び共演している。
    ジム・ホールとアッティラ・ゾラーの動画[Youtube]
参考文献
「イン・ベルリン」ライナーノーツ
内部リンク:隔週刊クール・ジャズ・コレクションNo.22 ジム・ホール

詳細

アルバムタイトル(原題)
It's Nice to Be with You : Jim Hall in Berlin
アルバム名義
Jim Hall
アルバムタイトル(邦題)
ジム・ホール・イン・ベルリン
アーティスト表記(日本語表記)
ジム・ホール
収録年
1969/6/27,28
発売元,レーベル
MPS Records
所有盤
国内CD
発売元
ユニバーサルミュージック株式会社
販売元
ビクターエンタテインメント株式会社
CD発売日
2000/10/25
規格品番
UCCM-9011
JAN
4988005255372
定価
1,835円(税込)

曲目

  1. Up, Up and Away
     作曲: Jim Webb
  2. My Funny Valentine
     作曲:Richard Rodgers,Lorernz Hart
  3. Young One (For Debra)
     作曲:Jim Hall
  4. Blue Joe
     作曲: Jim Hall
  5. It's Nice to Be With You
     作曲:Jane Herbert
  6. In a Sentimental Mood
     作曲: Duke Ellington
  7. Body and Soul
     作曲:Edward Heyman,Robert Sour,Frank EytonJohnny Green
  8. Romaine
     作曲:Jim Hall

演奏者

Jim Hall
guitar
Jimmy Woode
bass
Daniel Humair
drums
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

tag : レーベル.MPS 演奏編成.トリオ 共演者.DanielHumair

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ジム・ホールとアッティラ・ゾラーの動画[Youtube]

ジム・ホールとアッティラ・ゾラーらによるカルテットの動画。ソースはドイツの放送局であるNDR(北ドイツ放送協会)のテレビ番組「Jazz Workshop」(1973年)からの映像と推察する。バンドのメンバーは下記の通り。

  • Jim Hall (ジム・ホール) : guitar
  • Attila Zoller (アッティラ・ゾラー) : guitar (ハンガリー出身のジャズギタリスト)
  • Red Mitchell (レッド・ミッチェル) : bass
  • Daniel Humair (ダニエル・ユメール) : drums (スイス出身のジャズドラマー)

Jim Hall and Attila Zoller Duo play Careful

ジム・ホールが古くからたびたび演奏しているオリジナルの代表曲「Careful」

Jim Hall Trio, Germany 1973

曲名不明。こちらはアッティラ・ゾラーが抜けてトリオ編成となっている。

以前は同じソースからJim Hall / Attila Zoller - Blues In The Closetという動画もあったのだが削除されてしまった。

テーマ : YouTube動画
ジャンル : 音楽

tag : 演奏編成.カルテット 共演者.RedMitchell 共演者.AttilaZoller 共演者.DanielHumair

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kawagu

Author:kawagu
江ノ島が好き。

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